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美容室のお姉さんに話しかけた

パチプロの世界( irem のゲーム)では風呂に入るなどちゃんと清潔にしていないと運気が下がってしまいそれに比例するように勝率も下がる。
これにならって、あらゆる物事に対しての勝率をあげるために清潔の意味で髪を切りに行った。

もうひとつの理由は動画を撮るときに地味に「髪型がダサい」みたいなことがネックで録画意欲が低下することがあったので、それを解消しようということである。

美容室はひとつの試練である。
なにも美容室に限ったことではないが、人と接する以上、コミュニケーションの訓練となることは必至なのである。
この記事を読んでいる坊やはただ単純に髪を切られるだけかもしれないが、俺は違う。
きれいなお姉さんがいた場合、おひさまが東からのぼって西に沈むくらい当然のことのように話しかけなければならない。
いつもロングの髪を垂れ流していたお姉さんが今日は髪を結んでいることに気づいてしまった俺は、この発見をお姉さんに伝えなければならない使命を負ってしまったのだ。
もちろん、気づかなかったフリをすればよい。なにせ、髪を結ぶか結ばないかなんてその日の気分によるものもあるだろうし、たまたま以前見たときは髪を結んでなかっただけかもしれない。
しかも、お姉さんとはただ事務的に髪を洗ってもらうだけの関係で、まともに会話をしたことすらないのだ!

だけど、一度”””気づいてしまった”が最後、突き抜けるしか道は残されていなかった。
これは彼女に話しかけるか、話しかけないかという問題ではない。勇気の問題である。
「(話しかけようかな、でもな)」と心のなかで唱えたときに、「でもな」の世界線から、強い意志をもって「話しかけよう」という世界線に移動するための修行なのである。
無情にも彼女は美容師アシスタントという生業を選択してしまったことにより、僕の勇気の修行の餌食になってしまった。

俺はいざ話しかける段になると、心臓がバクバクしてきて、汗が身体から湧き出る感覚が体を襲った。手の感覚がなくなり、マイナス度の世界に肘まで浸かってしまっているかのようだった。(美容室とはお金を払ってだまってただ髪を切られればよいだけなのにだ)
そして、心拍数の波にうまく乗って、彼女に話しかけた。

「お姉さん、イメチェンしました?」

最近髪色を変えたようだった。
俺はそれに気づいたということにしようと思ったが、正直に髪を結んでいるか結んでないかというディテールについて童貞のような表情で喋った。
日によって気分で髪型は変えるということだった。
「よく気づきましたね」と軽妙にレスポンスされたので「あ、まあ見ていたので」と童貞のような返事をして会話を終わらせた。

心なしか、その後のシャンプー後のマッサージがいつもより優しく丁寧に感じられたし、お菓子といっしょに出されるおしゃれななんちゃらティーは茶柱が立っているような気がした。「このあとどこか行ったりするんですか?」はデートの誘いだと思ったし、「飲みとか行かれますか?」はデートの誘いだと思ったけど、彼女がいるので「最近いかないっすね〜」と答えて美容室をあとにした。

2017-11-25 14:56:13